部屋干しが増えると、どうしても気になるのが「電気代」です。
特に共働き家庭や夜干しが習慣になっている家庭では、浴室乾燥やコインランドリーに頼る機会が多く、月の出費が意外と膨らむことがあります。
一方で「衣類乾燥除湿機は電気代が安い」と言われることもあり、どれを選べば一番コストを抑えられるのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
しかし実際のところ、乾燥設備は見た目は似ていても“乾かし方の仕組み”がまったく違うため、電気代や1回あたりの費用に大きな差が生まれます。
さらに、初期費用・ランニングコスト・乾燥時間・季節・生活スタイルなども絡むため、数字だけを見ても正しい判断ができないのが難しいところです。
そこで本記事では、
- 浴室乾燥
- コインランドリー
- 衣類乾燥除湿機
の3つを徹底的に比較し、「1回」「1ヶ月」「1年」の費用感がどう変わるのかをわかりやすく整理します。
最後には、どんな家庭なら除湿機が最安になるのか、生活導線も含めた“現実的な節約の考え方”も解説します。
目次
最も電気代が高いのは浴室乾燥。最安は除湿機
同じ「洗濯物を乾かす」という目的でも、設備によって電気代は大きく変わります。
結論から言うと、最も電気代が高くなるのは浴室乾燥で、最も安くなるのは衣類乾燥除湿機です。
浴室乾燥はヒーターを使って浴室全体を温めながら乾かすため、消費電力が大きく、1回あたりの電気代が高くなりやすい特徴があります。
コインランドリーはガスや電気を使った乾燥に加えて「時間制」で料金が発生するため、短時間でも単価が高くつく仕組みです。
一方、衣類乾燥除湿機は湿度を下げて洗濯物から水分を引き出す方式のため、消費電力が比較的小さく、電気代は最安帯になります。
生活スタイルが合えば、浴室乾燥やコインランドリーに比べて年間の出費を大きく抑えることができます。
家庭ごとに乾燥頻度は違いますが、乾燥の仕組みが異なるだけで「1回」「1ヶ月」「1年」のコスト差は驚くほど大きくなります。
電気代の比較は誤解されやすい
ここで一度、電気代の比較でよく見落とされるポイントを整理します。
この整理をせずに「どれが安いか」だけを見ると、誤解したまま判断してしまうことがあります。
まず、電気代は以下の式で決まります。
電気代 = 消費電力(kW) × 使用時間 × 電気料金
しかし、これだけでは比較できません。理由は次の通りです。
1.設備ごとに乾くまでの時間が違う
浴室乾燥は短時間で乾きやすい一方で、除湿機は季節や環境で時間が変わります。
つまり「1時間あたりの電気代」を比べても、最終的なコストは一致しません。
2.季節によって性能が変わる
除湿機は気温や湿度の条件で除湿量が変わります。
夏は強く冬は弱い傾向があり、浴室乾燥は季節に左右されにくいといった差があります。
3.初期費用とランニングコストは別
コインランドリーは初期費用がゼロですが、使うたびに料金が発生します。
浴室乾燥は家に標準装備されているケースが多いものの、使えば使うほど電気代が増えます。
除湿機は購入代金が必要ですが、ランニングコストが低いという特徴があります。
4.「1時間あたりの消費電力」は比較の罠
消費電力(W)が低くても乾くまで何時間もかかれば合計電気代は上がります。
逆に高い電力でも短時間で済むなら総額は下がることがあります。
このように、乾燥設備の比較は「電気代の数値」だけでなく「乾燥時間」「季節」「設備の仕組み」もセットで見る必要があります。
この前提を押さえておくと、後の数値比較で「なぜこんなに差が出るのか」が自然と理解できるようになります。
仕組みの違い|なぜ電気代に差が出るのか
部屋干しを早く乾かすための設備は、見た目はどれも「乾かす道具」ですが、中で起きている仕組みは大きく異なります。その違いが、そのまま電気代の差として現れます。
①浴室乾燥
浴室乾燥は浴室内部を温めながら空気を動かして乾かす仕組みで、ヒーターを使って高温にし、その空気を換気扇で循環させます。
温めて空気を動かすという工程は消費電力が大きく、一般的には1,000〜2,000W程度の電力を使います。
これは家庭のエアコンの暖房並みの電力です。
②コインランドリー
コインランドリーの乾燥機はガスや電気を使った強制乾燥で、蒸気や温風で一気に水分を飛ばします。
乾燥時間が短いのが特徴ですが、「時間制」でお金がかかるため、1回の利用で500〜800円程度という高い単価になります。
③衣類乾燥除湿機
除湿機は、湿度の高い空気から水分を取り除くことで洗濯物を乾かす仕組みです。
ヒーターを使わない方式が多く、消費電力は機種にもよりますが200〜700W程度と比較的低いのが特徴です。
また除湿機にも種類があり、気温や季節によって効率に差が出ます。
たとえばコンプレッサー方式は気温の高い季節に強く、デシカント方式は冬でも安定した除湿力が出せる、といった違いです。
除湿機には「コンプレッサー」「デシカント」「ハイブリッド」の3方式があり、それぞれ得意な季節や電気代の出方が異なります。
家の環境や使う季節で相性が分かれるため、方式の違いを知っておくと無駄な出費を防げます。こちらの記事で方式の違いをまとめています。
このように、仕組みそのものが違うため、同じ「乾かす」という目的でも消費電力や使い方が変わり、結果として電気代や総コストに差が生まれます。
浴室乾燥・コインランドリー・除湿機を数字で比較
ここでは実際の電気代のイメージを数字で比べていきます。数字を見れば、どの手段が安くて、どの手段が高くつくのかがはっきりわかります。
まずは「1回あたりのコスト」です。仮に家庭の電気料金を27円/kWhとして、一般的な条件を当てはめると次のようなイメージになります。
(ご自身の契約単価に置き換えてください。)
- 浴室乾燥
消費電力1,200~1,500W × 運転時間2~3時間
= 約60~150円
※実際には換気・温度維持を含めてこれより高くなることが多い - コインランドリー
標準料金として 500〜800円程度
※地域や機種によって大きく変わるが、短時間でも料金が発生 - 衣類乾燥除湿機
消費電力300W × 運転時間1時間
= 約8.1円
※季節や方式によって変動する
こうして見ると、1回あたりのコストは除湿機が圧倒的に低いことがわかります。
次に「月間コスト」です。乾燥回数を月10回とした場合の単純比較です。
- 浴室乾燥:約600〜1,200円
- コインランドリー:約5,000〜8,000円
- 除湿機:約80〜120円
年間コストにするとさらに差が大きくなります。
- 浴室乾燥:約7,200〜14,400円
- コインランドリー:約60,000〜96,000円
- 除湿機:約2,400〜7,200円
| 手段 | 1回 | 月10回 | 年120回 |
|---|---|---|---|
| 浴室乾燥 | 約60~120円 | 約600〜1,200円 | 約7,200〜14,400円 |
| コインランドリー | 約500〜800円 | 約5,000〜8,000円 | 約60,000〜96,000円 |
| 除湿機 | 約20〜60円 | 約200〜600円 | 約2,400〜7,200円 |
※乾燥機の電気代は「機種」「乾燥量」「湿度」「気温」で変わります。
※コインランドリーは地域・店舗ごとに料金設定が異なります。
※除湿機も方式(コンプレッサー/デシカント)で効率差があります。
ここまで比較すると、衣類乾燥除湿機が電気代という点で最も有利になる理由がはっきりします。
浴室乾燥と衣類乾燥除湿機は、上の表では月と年を3日に1回の使用での比較としていますが、実際にはもっと頻繁に使うかと思いますので、さらに大きな差になります。
衣類除湿乾燥機は、方式の違いによっても電気代が変わってきます。各方式の使いやすい機種を比較した、こちらの記事もお役立てください。
もちろん家族の人数や洗濯頻度、衣類の量によって回数は変わります。
ですが、この比較からはっきり言えるのは、衣類乾燥除湿機が電気代という観点では圧倒的に安いということです。
家庭の条件で最安が変わる
電気代の比較だけを見ると除湿機が最安になりますが、実際には家庭の生活導線によって選ぶべき手段が変わります。
なぜなら、家庭ごとに「干すタイミング」「乾かしたい衣類の量」「使えるスペース」「使える設備」が違うからです。
たとえば、子どもがいる家庭ではタオルや衣類の量が増え、月に10〜20回ほど乾燥することも珍しくありません。
この場合、浴室乾燥やコインランドリーを使い続けると年間の出費が大きくなりやすくなります。
夜に洗濯する家庭では、冬や梅雨のように窓が開けにくい季節になると乾きが遅くなり、換気による対策も取りにくくなります。
特にマンションは通気性が低いことも多く、乾燥手段によって向き不向きがはっきり出ます。
一方で、共働き世帯のように時間が限られている家庭では、湿度管理ができる設備の方が洗濯のストレスが減りやすくなります。
逆に、近くにコインランドリーがあり乾燥だけ短時間で済む場合は、ある程度割り切った使い方もできます。
つまり、乾燥のコストは単純に安い・高いだけではなく、「いつ干すか」「どこに干すか」「何を干すか」「頻度はどれくらいか」によって最適解が変わります。
“除湿機が一番安くなる家庭”とは
では、どんな家庭が除湿機と最も相性が良いのでしょうか。ポイントは次の通りです。
夜干しが多い家庭
冬や梅雨など窓が開けられない時期でも、湿度を下げて内部の水分を動かせるため、乾きにくさを補うことができます。
マンションや集合住宅
通気が悪く、換気がしにくい空間ほど湿度管理が重要になるため、除湿機の恩恵が大きくなります。
子どもがいる家庭
タオル、体操服、制服などの量が増えることで乾燥回数が増え、ランニングコストが低い除湿機が有利になります。
コインランドリーに頼りがちな家庭
一回数百円の積み重ねよりも、自宅で時間を気にせず乾かせる方が安く済む場合が多くなります。
浴室乾燥の電気代が気になる家庭
浴室乾燥は便利ですが、ヒーターを使うためランニングコストが高くなりやすく、頻度が増えるほど負担が増えます。
冬の暖房で喉が乾くのが苦手な家庭
暖房で空気を温めて乾かす方式ではないため、乾燥が苦手な人にも向いています。
これらに当てはまる家庭ほど、衣類乾燥除湿機は「最も安い乾燥手段」かつ「現実的に使える選択肢」になりやすいと言えます。
まとめ|乾燥コストは“時間×仕組み×頻度”で決まる
今回の比較の通り、最も電気代がかかるのは浴室乾燥、最も安く収まるのは衣類乾燥除湿機という結果になります。
ただし、乾かす仕組みや季節、家庭の生活導線によっても現実的なコストは変わります。
特に衣類乾燥除湿機の場合は、同じ衣類乾燥除湿機でも方式によって消費電力や乾燥の得意な季節が異なります。
電気代を抑えたい場合は、家庭の使い方に合う方式を選ぶことが重要になります。
もっと安く乾かす方法を知りたい方へ
電気代を比較すると、次に気になるのは「なぜ差が出るのか」「自分の家なら何が最安か」という部分です。
目的ごとにまとめましたので、ぜひご覧ください。
① 電気代の差が生まれる理由を知りたい人
消費電力や乾燥時間に差が出る仕組みを整理しています。
② 除湿機の方式で電気代が変わるのか知りたい人
デシカント/コンプレッサー/ハイブリッドの電気代の違いをまとめています。
③ 自分の家では何が一番安いのか判断したい人
生活導線に合わせて“最安になりやすい選択肢”を現実的に整理しています。


